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コンクリート強度の測定


コンクリート構造物の圧縮強度測定方法

コンクリート強度の特性値は、圧縮強度、引張強度、曲げ強度、せん断強度等があります。
コンクリート構造物は、一般に圧縮強度に基づいて設計され、また、コンクリート構造物の品質を管理していく上で、圧縮強度を把握する事は極めて重要です。
圧縮強度を調べる方法には、いくつか方法があります。


コンクリート打設時に作製した供試体による方法

レディーミクストコンクリートの受入れ検査や脱型時の強度確認などを目的に行われます。
「JIS A 1132 コンクリートの強度試験用供試体の作り方」
「JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法」)


採取したコンクリートコアから求める方法

既設構造物からコアを採取し、耐久性診断や耐震診断等を目的に行われます。
「JIS A 1107コンクリートからのコアの採取方法 及び圧縮強度試験方法」


リバウンドハンマーによる方法

テストハンマー又はシュミットハンマーと呼ばれる調査器材を使用し、コンクリート表面の硬さから強度を推定する簡便な方法です。
「JIS A 1155 コンクリートの反発度の測定方法」
「JSCE-G504 硬化コンクリートのテストハンマー強度の試験方法」


微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領による方法

新設のコンクリート構造物のうち、橋長30m以上の橋梁の、橋梁上部工事及び橋梁下部工事を対象としています。
なお、これらの手法によりコンクリート構造物の品質管理を行った場合は、テストハンマーによる強度推定調査を省略することができます。


微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定


    構造物の側面に設けた供試体「外部供試体」による試験(フーチング部に適用)

    「外部供試体」は「ボス供試体」とも呼ばれ、型枠に「ボス型枠」を取り付けることによりコンクリート打設時に供試体を採取でき、簡便かつ迅速に圧縮強度試験を行うことができます。
    また、工程に支障がない場合には、「外部供試体」に替えて、「小径コア」による試験あるいは「非破壊試験」による強度測定が実施されることもあります。

    • ボス型枠

      ボス型枠写真
    • 圧縮強度試験

      ボス供試体を用いたコンクリートの圧縮強度試験の様子

    「衝撃弾性波法」または「超音波法」による強度測定〔下部工(柱部・張出部)及び上部工(桁部)に適用〕

    コンクリート内部を伝播する弾性波速度とコンクリートの圧縮強度との間には、同一配合であれば強い相関関係があります。
    「衝撃弾性波法」は「iTECS法」と「表面2点法」の2種類があり、「超音波法」も含めて、いずれも圧縮強度と伝播速度の関係式(検量線)を作り、調査対象構造物の伝播速度を測定した後、検量線からコンクリートの圧縮強度を推定します。


    iTECS法によるコンクリート構造物の強度測定

    以下に「iTECS法」のよる強度測定の概略を紹介します。

    • ①検量線の作成

      円柱供試体を用いた検量線の作成
      コンクリート打設時に円柱供試体を複数作成し、これら供試体の圧縮強度(例えば1週,2週,4週,8週)と、それらの材齢の弾性波速度の関係から強度推定式(検量線)を求めておきます。
    • ②弾性波速度の測定

      iTECS法によりコンクリート構造物の弾性波速度を測定する様子
      iTECS法により、調査対象構造物の弾性波速度を測定します。
    • ③圧縮強度の推定

      構造物で求めた弾性波速度と強度推定式(検量線)から圧縮強度を推定します。
      その圧縮強度を28日材齢に換算し、合否の判定を行います。

    その他のコンクリートの圧縮強度測定

    その他のコンクリートの圧縮強度測定方法として「超音波法」と「コンクリートテスターによる方法を紹介します。


    ①超音波法

    表面を打撃する衝撃弾性波法(iTECS法、表面2点法)は一般的に20kHz以下の周波数成分を使用するのに対し、超音波法では20kHz以上の周波数帯域を使用します。圧電効果を使用した発信探触子の振動により弾性波を発生させ、受信探触子により受信します。発信と受信探触子の距離と伝達する時間差から弾性波速度を求め、強度換算式(検量線)から圧縮強度を推定します。超音波法は構造物に超音波を効率よく入力するために接触媒質が必要となります。

    国土交通省の「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領」に準拠しています。


    ②コンクリートテスターによる方法

    コンクリートテスターは、非破壊でコンクリートの圧縮強度を測定する装置で、ハンマーでコンクリートを打撃し、その時の打撃力波形から機械インピーダンスを測定、コンクリートの圧縮強度を推定します。
    圧縮強度推定のほかに、コンクリート表面の比較的浅い位置における骨材剥離や内部欠陥の調査に利用されており、「漁港施設における機械インピーダンス法を用いたコンクリート強度推定運用マニュアル(案)」に記載され、維持管理等に使用されています。
    実物のコンクリートテスター
    コンクリートテスターにより測定された打撃力波形

    既設構造物の圧縮強度推定

    現在、既設のコンクリート構造物での維持管理には、コア採取による圧縮強度試験やコンクリート表面の反発度から強度を推定する方法などが主に採用されていますが、非破壊試験である衝撃弾性波法(iTECS法)により、既設構造物の圧縮強度の推定することができます。

    圧縮強度を推定する一般式は、 

    c=1.224×1017×VP5.129  で表されます。

    なお、既設構造物からコアを採取し、コアの弾性波速度と圧縮強度の関係が分かれば、より精度の良い強度推定が可能となります。

    • 弾性波速度と圧縮強度の関係(※1

      コンクリートの弾性波速度と圧縮強度の関係
      (出典:NDIS 2426-2 コンクリートの非破壊試験-衝撃弾性波法 P71より)

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