メニュー

コンクリートの中性化試験

鉄筋コンクリート構造物中の鉄筋は、コンクリートの強アルカリ環境下で生成する不動態被膜により、腐食から守られています。
コンクリートは長い間空気中にあると、大気中のCO2(炭酸ガス)、SO2(亜硫酸ガス)の作用を受けて中性化し、コンクリート内部の鉄筋に腐食の可能性が生じます。
また、火災により鉄筋コンクリート構造物が500℃以上に熱せられると、水酸化カルシウムが熱分解し、アルカリ性が減少するので、建物の火害診断にも利用されています。


フェノールフタレイン法による中性化深さの測定

フェノールフタレイン法による中性化深さの測定では pH10以上が着色し、一方鉄筋の腐食は pH11以下で開始されるため、着色した場合でも腐食を起こす可能性があります。そのため、鉄筋腐食の開始は中性化残り(鉄筋のかぶり厚さ-中性化深さ)として、塩化物を含まないコンクリートでは約8mm、塩化物を含むコンクリートは約20mmが必要とされています。

中性化深さ C(cm) は一般に C=A√t で表され、式中のA は中性化速度係数と呼ばれ、コンクリートの使用材料や配合、表面仕上げ材の種類、環境条件などの要因によって決定されます。

構造物の築造からの経過時間t(年)と中性化深さC(cm)から中性化速度係数Aが求められるので、鉄筋のかぶりがわかれば、鉄筋位置まで中性化が進行するのに要する時間を推定できます。

中性化速度式はさまざまなものが提案されていますが、岸谷式によると次の式で示されます。

水セメント比が 60%以下の時、 C=((4.6x-1.76)・R・√t)/ √7.2
 ここに、C:中性化深さ(cm), x:強度上の水セメント比, R:中性化比率, t:経過時間(年)

  • ドリル法による中性化深さ試験

    ドリル法を実施する様子

    【参考】
    JIS A 1152 コンクリートの中性化深さの測定方法
    NDIS 3419 ドリル削孔粉を用いたコンクリート構造物の中性化深さ試験方法

コンクリートの中性化試験のお問い合わせ・各種申込書類について

  • コンクリートの中性化試験のお問い合わせボタン

  • 各種申込書類のボタン